ホットサンドメーカー
=ホットサンドメーカーW(和平フレイズ)=


  

高校山岳部時代、ピラフを作ろうとしておかゆにしてしまい「地獄の料理長」の異名をとったしじみ。そんな私が唯一、仲間から賞賛を浴びた料理がホットサンドです。

ホットサンドとは周知の通り、軽く焼いたサンドイッチのことですが、これを作る器具のことはあまり知られていません。なぜなら、わざわざこの器具を使わなくても、家庭や飲食店ならオーブントースターで同じものが作れるからです。

ではなぜこの器具ができたのか?思うに、家にガスコンロしかないけれど、どうしてもホットサンドを作って食べたい、貧乏かつホットサンド命な人がいたのでしょう。その人のプロジェクトXばりの試行錯誤の末に、このタイ焼き器の子分のような器具が世に出たのです。(※デタラメなので本気にしないように・・)まあそれはさておき( ^-^;)、直火で炙るだけでホットサンドができてしまう手軽さ・軽量さが、登山にはうってつけなのであります。

使い方は簡単。鉄板部分にサンドイッチを置いてはさみこみ、ストーブの火にかけるだけ。時々上下を返しながら5分ほどあぶれば、おいしいホットサンドのできあがり。
ちなみにこの器具、一般にはホットサンドメーカーと言うようですが、しじみは長年の間ホットサンダーと呼んでいました。何でもerをつければいいと思っている自分の英語力が悲しいです。

しじみがなぜこの器具を知ったかというと、単に母がどこからかこれを入手してホットサンドを作ったからでした。焼いただけでこんなにサンドイッチがうまくなるのか、と感激したしじみは、これをキャンプの朝食で作ってみようと決意したのです。

当時、高校山岳部のキャンプ朝食メニューといえばうどん、ゆでもち、雑炊など、どれも味が薄くてマズいものばかり。雑炊は日本昔ばなしの農民の食事みたいでわびしく、うどんやもちはゆで汁の処理がたいへんでした。大量に余ったうどんダシの一気飲みなんて思い出したくもない。

そこへいくとこのホットサンドは調理に水を使わない、マヨネーズやケチャップで味付けがしっかりできる、さらに多量の具を思いっきりプレスし、熱を加えることによって生まれる渾然一体の味のハーモニー(お前は美味しんぼか!)を楽しめる・・といいことずくめ。デビュー初日から圧倒的な支持を受け、またたくまに朝の定番メニューに登りつめたのでした。そりゃもう、戦後のわが国における欧米型食生活の普及をこの目で見た感じで・・。

ただこの器具、一つだけ注意事項があります。それは鉄板部分の熱持ちがコッヘル等にくらべて非常に良い、いや良すぎるということです。

調理後のこいつにビニール製品を触れさせ溶かしてしまったことが1回。そして持ち主であるしじみがうっかりヒザに乗せ、早朝のキャンプ場に絶叫が響き渡ったことが1回。狭いテント内での取り扱いには気をつけましょう・・。

ホットサンド人気は山岳部では不動のものとなり、しじみが高校を卒業するにあたって後輩たちはこの器具をほしがりました。でもあげませんでした。売っているのを見たことがなかったので、手放すのが惜しかったのです。けど最近ではホームセンターなんかでよく売ってますね。あの時快く後輩に譲って、しじみ株を上昇させればよかったと切に思います。

ちなみにこの器具、プレス部分が2つのもの(写真)と、1つのものとがあります。ダブルは2つのサンドイッチが同時に焼けます。単独行専門の方、また荷物の軽量化に凝っていらっしゃる方以外は、ダブルをお勧めします。

ホットサンドの作り方

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