ヒップソリ (ナイト工芸)


 

寸法:53.5cm×33.5cm×4.0cm 厚さ:3〜5mm 重量:約215g ポリエチレン製

知る人ぞ知る、冬の登山を2倍楽しくするアイテム「ヒップソリ」。
ご覧のように、尻に敷いて雪面を滑走するのに使います。風を切って滑る爽快感がたまりません。雪山をアクティブに楽しむオトナの遊び道具です。<いま鼻で笑ったスキーヤーは死刑。

しじみが子どもの頃、まだ滋賀県南部でも平地で雪が積もることがあった頃には、ソリ遊びをする時、家庭用ゴミ袋を尻に敷いて滑っていました。しかしゴミ袋は耐久性がなく、数回滑るとすぐに破れてしまいました。農家からもらってきた肥料の袋は比較的破れにくかったのですが、それでも1日遊ぶとずいぶんくたびれてしまいました。

あの頃の楽しさを思い出し、もう一度ソリ遊びしたいなあ・・と思い立ったのですが、大人になって体重も増えた今、もはや肥料袋でもケツ圧に耐えられないことは間違いありません。何かないかなあ・・といろいろ探してみた結果、見つけたのがこの「ヒップソリ」でした。スポーツ用品店の子どもグッズ売り場で、パンダのシールを貼って売られていました。「いや〜ウチのチビにそろそろ雪遊びを教えてやりたいと思ってね〜」みたいな雰囲気を装って買いました。しじみ28歳独身の冬。

そんな経緯はさておき( ^-^;)、ゲットしたこのヒップソリはなかなかのスグレモノでした。価格も1枚400円と安価だし、冒頭に書いたように非常に薄くて軽く、カラビナで3枚いっぺんにザックに下げても苦になりません。もちろん耐久性はバッチリだし、接地面が平らな分、ビニール袋よりもよく滑ります。


爆走するKさん

ヒップソリは、基本的には尾根や雪渓で荷物を下ろして滑る遊び道具ですが、雪山の下り道でも条件が良ければ使えます。ボブスレーのごとく登山道を滑走すれば、下山時間が大幅に短縮できます。目指せ区間最速!(ただしザックを背負ったまま滑る場合、ザックの底が雪面を擦ってブレーキをかけてしまうため、ある程度の斜度がないと滑れないのが難点です)。
また、滑る以外の用途として、雪面にちょっとザックをおろしたい時、あるいは自分が座りたい時、ヒップソリを敷けば濡れずにすみます。でもそのまま滑っていかないようご注意を( ^-^;)

ヒップソリでの滑走は、特に技術というほどのものはありません。両足を上げて反り返ればスピードが上がっていくし、両足を降ろしてかかとを踏ん張ればブレーキがかかります。さらにブレーキをかける場合は片手を雪面につけます。思ったよりも加速がついてなかなか止まらないので、崖や岩場といった危ない場所では滑らないようにしましょう!


Kさんは止まったけど、この後のしじみは止まれずにヤブに特攻。

あと、残念ながらヒップソリは曲がることができません。ハンドルは付いていますが、これはただの握りで、方向を制御するものではありません。曲がりたい方向に体重をかければ・・と思ってやってみたらスピンして背中からヤブに突っ込みました。ひょっとしたら何かうまい方法があるのかもしれませんが・・来年の検討課題です。

この「ヒップソリ」、名称が妙に生々しいので、しじみたちは「シリセードチリトリ」などと呼んでいます。そしてこのソリを駆るプレイヤーのことを、シリセイダーと呼んでいます。
このソリがいわゆる雪山技術のシリセードとは違うものであることは承知していますが、なんとなく響きがいいので・・(クルセイダーズみたい ^-^;)

ヒップソリは、ネット検索してみるとそこそこメジャーなようですが、しじみの行くフィールドではまだあまり持っている人を見かけません。「何それ?チリトリ?」などと言われることもしばしばです。とても面白い遊び道具なので、冬になったら皆さんもぜひゲットして、雪山でシリセイダーの輪を広げていってください!合い言葉は「魂まで風になれ」です。<いま鼻で笑ったスキーヤーは(略)

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