【仙ヶ岳】 滋賀県甲賀市土山(三重県境)


本図は(財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

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仙ヶ岳/2004年10月11日  

双耳峰シリーズ第2弾の山です。「今度はしっかり両方登ろう」(※)と、しじみと友人Mは張り切って登山口に立ちました。横山岳登山録の末尾参照

ここの登山口は惣王神社という神社の石段の脇にあります。「惣王って誰?」「さあ。相応の人物じゃないの」しじみさん今日も舌好調。

歩き出すと、さっそくコイツがお出迎え。地面でうごめくヒルを見ると、目から怪光線とか出したくなります。ヘタに踏みつぶすと、つぶしたつもりがまだ生きてて靴をよじ登ってくる場合があるので踏むわけにもいきません。ペチャンコになっても生きてるなんて、まるでトムとジェリーなみの生命力!!ってなつかしがってる場合ではなくて。

小ピーク「ベンケイ(弁慶?)」を越え、「舟岩」と呼ばれる安楽川コースとの分岐点で一休み。この日はすごく天気が良かったです。


初公開の友人Mです。高い所が大好きです。
硬派でシブめの2.5枚目青年です。
背負っているのはキャメルバッグという背嚢型水筒です。

しばらく快適な尾根道。そして主尾根に登るための急登。(ここの急登道への分岐が少し分かりにくいので注意!岩の切り立った眺めの良いテントサイトっぽい地形のところです)

そして尾根上へ。たどり着いたピークは、通称「御所平」と呼ばれる尾根筋の南端。ここははるか西の琵琶湖までよく見える、とても眺めの良いところです。そしてここから、秋晴れの空の下、アップダウンの少ない緩やかな尾根歩き。最高です。チョー気持ちいいです。勢いに乗って田村川・石谷川分岐を越え、また少し急登を経て、仙ヶ岳に到着です。

仙ヶ岳頂上は狭く、しじみとMが2人座ればもう満席といったかんじのミニ空き地です。でも眺めはものすごく良く、我々は遅い昼食をとりながら景色を満喫したのでした。快晴でしたが、どういうわけか北の空にやたら大きな雲が浮かんでいました。


竜の巣だー!!
(全てのラピュタファンに捧げる1枚)

しばらくぼんやりしていると、縦走路を南下してきたらしいおじさんが頂上に登ってきました。でもしじみたちがすでにこの狭苦しい頂上にいるので、居心地が悪そうです。そそくさと立ち去っていきました。

と思ったら。おじさん少し下った窪地でスタンバってる!どうしても頂上を一人占めしたいらしい!察した我々は休憩を切り上げ、双耳峰のもう一つ・東峰に向かいました。

一歩きしてたどり着いた東峰は、しかし何にもないところでした。薄暗い林の中で眺望ゼロ。なぜ「東峰」の名に甘んじているのかがよく分かるツインズっぷりでした。

でもこの東峰の少し南に、面白いものがありました。それは「仙の岩」と呼ばれる大岩。これを見たとたんに「高い所ハンター」であるMは血が騒いだらしく、さっそくよじ登ろうと岩にとりつきました。

しかし。この岩は手の届くところにとっかかりがなく、登れそうでなかなか登れません。しじみが肩車をするにも足場が悪く、「スカイラブハリケーンでもする?」と言ったら本気で検討しはじめたのであわてて取り消しました。それで事故ったら私は警察に何て言えばいいんですか。

Mはしぶしぶあきらめ、帰路へ。仙ヶ岳に再びたどり着く手前で、我々は夫婦らしき若い男女2人のパーティーに遭遇しました。

この夫婦の若奥様らしき人が、優香似のすごい美人。すれ違っただけで、会話も何も「こんにちわー」しか言ってないのですが、その後のしじみは熱に浮かされたように「今の人美人だったよね!ねえ!ねえったら!」と語り続け、優香系統はお好みでないMは、何言ってんだこの俗物め、みたいな哀れみの目でしじみを見るのでした。

再び戻ってきた仙ヶ岳は、もう誰もいませんでした。そういえば、時間的にみて若夫婦も仙ヶ岳で昼食だったから、あのスタンバイおじさんはひょっとしたら我々の後に一時的に頂上を占拠したものの、すぐに若夫婦がやってきてお弁当広げて、「ハイあなたアーンして〜」「わー、ゆうかタンのおにぎりはおいちいな〜」とかやりはじめて、いたたまれなくなって泣く泣く下山したのかも・・かわいそうなスタンバイおじさん。

帰路は田村川・石谷川分岐まで戻り、田村川の支流の谷道を下って田村川林道を目指します。しかしこの谷道が、またまたリポビタンDのCMに出てきそうな荒れたコース。ロープにつかまらないとすぐ川に真っ逆さまな崖っぷちの道が続きます。荒れたコースでいつも思うのですが、こういうとこにロープを張ってくれる知らないどこかの誰かさん、本当にありがとうございます。こんど肩でも揉ませてください。

1時間ぐらいかかってようやく林道にたどり着き、ホッと一息。黒滝集落を目指してテクテクと林道を歩いていくと、途中で林道が川に水没していました。

いや水没と言っても、水深はヒザぐらいまでで、流れも緩やか。なので靴を脱いで渡渉することにしました。で、靴を脱いだら。

左足にヒルが3匹もはりついていました。しじみの右足とMの両足には1匹もいなかったのに・・。俺は黄金の左足の持ち主かー!(ヒルにとっての)

3匹とも川に叩き落として魚のエサにしました。サディスティックな笑みを浮かべるしじみを、またMが哀れみの目で見ていました。

林道歩きの途中ぐらいから日が暮れてきました。林道を終点にするというMの安全策が見事に当たりました。逆回りコースだったら山中で遭難時用のヘッドランプをつけてる頃です(半泣きになりながら)。よかったよかった。

と。背後から車がやってきました。林業関係者の車のようです。ドライバーのおじさんが追い越しざまに車を止め、声をかけてくれました。「兄ちゃんたち、乗ってくかい?」でもGPSによれば、あと15分も歩けば集落にたどり着くので、丁重にお断りしました。

親切な人もいるもんだ、と感心するM。知らない人の車に乗ったらサーカスに売られるんだぞーとかいって気分をぶちこわしにするしじみ。そして話が木下大サーカスから安田大サーカスにうつったあたりで集落に着きました。林業のおじさんネタにしてゴメンナサイ・・。


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