【大台ヶ原/西大台】 奈良県上北山村


◆国土地理院1:25000地形図の登山道は大幅に間違っています
実際にどこがどう違うのか、この図であらかじめチェックされることをおすすめします。





…国土地理院1:25000地形図に表記されているが、実際には存在しない道。信じて進まないこと。
 地形図は等高線による地形のみ参考にし、道は本図および現地の道標や赤テープに従ってください。
…渡渉地点または橋。渡渉といっても全て浅い川で、飛び石もあります。水が涸れている場合も。

書き込む情報が多かったため、本図は当サイトの他ページのコース図より縮尺を若干小さくしています。

本図は(財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

★登山お役立ちデータ集★
標高/眺望/ヤマビル/天気/地図/交通/タクシー/トイレ/観光/温泉

大台ヶ原(2)/2003年10月5日  

大台ヶ原2日目は、果てしないブナの原生林に分け入っていく西大台コースです。1日目と違って本格的な登山になる上、遅くとも16時までに大台荘に戻ってきて終バスに乗らないと、翌日会社に出勤できず社会的信用を失ってしまうという大人の事情もあって、押せ押せのスケジュールでした。

そんなわけで朝5時、Pさんがしじみの部屋にやってきました。大台荘の食堂は7時開店なのですが、それまで待っていられないので、朝食は持ってきた食料で済ませようというわけです。二人でパンやリンゴをモソモソとかじり、カラオケボックスに飲食物を持ち込んだような軽い罪悪感をおぼえながら、そそくさと出発準備をしました。

他の宿泊客を起こさないよう、静かに宿を出ていこうとした、その時。
何やら人のざわめきが聞こえました。

あれ??食堂がフライング営業してる!!

そうなんです。食堂が7時を待たずに開店していました。私たちの作戦はなんだったのでしょう。だったらあったかいごはんを食べたかったよ・・
ちくしょう責任者でてこい
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◆2005.10追記
ツアーの団体客用には、早めに食事を出すこともあるようです。これは大人数だからこその早起き特別サービスであり(食堂の混雑を避ける意味もあると思う)、少人数の一般客だけが泊まっている時はそこまでのサービスはやらないので、我々一般客には「朝食は7時から」で通しているのだと思われます。
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えっと、登山の話をしましょう。

大台荘を出てドライブウェイ入口近くにある脇道に入り、大台教会を経たあたりからすっかり森の中です。人の気配に驚いたシカや野鳥が、付近の茂みから次々と逃げていきます。早朝の登山はいろいろな動物に出会えるからいいね、とPさんに話しかけると、
「私、植物は大好きだけど、動物には全然興味ないの」
という竹を割ったようなお答え。そうかぁどうりでオレのことも

中ノ谷という谷の脇道にさしかかった時、ふと、しじみのザックの脇に付けていた飲料水ボトルがはずれ落ちてしまいました。谷の方へ転がっていくボトル。あわてて追いかけるしじみ。ボトルは崖っぷちでピタッと止まり、勢いのついたしじみは危うく転落するところでした。何かの呪いのような出来事に、すっかりゾーッとしてしまいました。

斜面を登って登山道に復帰すると、Pさんがニコニコしていました。
「しじみさん、おむすびころころみたいで面白かったよ」
ぶっとばすぞてめえ

その後に続く、七ツ池(池といっても湿原ですが)や開拓跡の一帯は、写真のようにコケむした原生林で、Pさんもしじみも大満足です。



※写真のブレにつきましては、それがしじみの実力なのでご了承ください・・。

さて、ここからワサビ谷→経ヶ峰・逆峠の南北分岐を南にとる→逆峠・・となるのですが、これがまたたいへんでした。実はこの一帯、しじみがいつも愛用している1/25000国土地理院地形図が、どうも間違い表記しているらしいのです。

七ツ池あたりから、国土地理院地形図のルートはまったくウソっぱちになります。GPSの軌跡を見る限り、これは間違いありません。地図を信じて道なき道を進んだりせず、現地の道標に従うのが吉です。
そのあたりのことは各ガイドブックも多少におわせていて、とりあえず「地形図にある登山道とは違うルートをとる」とだけ書いていたり、参考マップのルート図が何の説明もなくずらされていたり、編集時の混乱がしのばれます。
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◆2005.10追記
さらに、朝通ってきた周遊コースの分かれ目の分岐(筏場分岐の次)も、実際はナゴヤ谷より手前にあり、ここも表記が間違っています。ここで国土地理院地形図の分岐位置を信じると、以降の渡渉地点を全て1つズレて認識することになるので、とても危険です!この西大台コースについては、国土地理院地形図の登山道は全面的に信用できないと思ってください。
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地形図と違うルートにさんざんをひねりながら、「展望台」と呼ばれる地点にたどり着きました。ここは東側の展望がよく、昨日登った大蛇グラがよく見えます。登っているハイカーたちが豆粒のようでした。
「人がゴミのようだー」という某アニメ映画の名ゼリフを言ってみましたが、Pさんは分からなかったらしく人格を疑われました

眺めがいいのでここで昼食です。昨日買ったお弁当を、賞味期限を見ないようにしながら食べました。ゴミの袋でお手玉しながら「大蛇グラー」とか言ってみたんですが(※ジャグラーにかけた)やっぱりウケませんでした。

そこから逆峠を目指したのですが、結局どこがそうだったのか分からないまま、時間がないので仕方なく引き返しました(未練・・)。帰りは大台荘までのショートカットコースを通り、意外と早めに戻ることができました。バスに乗り込み、思い出いっぱいの大台ヶ原をあとにしました。

そしてこの後、バスを乗り継いで津風呂湖温泉という温泉に行ったのですが、その時何があったかは、こちらをご参照ください。(温泉リンクのページ)

結局、温泉からの帰りはタクシーを使い、サイフが火を吹きました。やっぱりドンデン返しは最後に来るもんですね・・。



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