Google Earth (Google社/フリーウェア)

地図好きならみんなご存じ「Google Earth」。 まるで天の神様のように世界中の任意の場所を見おろせる、すばらしい地理情報ソフトです。地図画像をベースにしたカシミールと違って(※1)、グーグルアースは衛星写真・航空写真データを使っているので、風景がとってもリアル。このソフトを使って、世界の名所見物などをした方も多いことでしょう。

しじみも何度か遊びで使ったことがあったのですが、このソフトは単に見て楽しむもので、実用ソフトではないと思っていました。
しかしさにあらず!今回、ちゃたろうさんという読者の方から、GPSのトラックログ(軌跡)をグーグルアースで読み込んで、座標上(航空写真上)に表示することができる」という情報をいただきました!おおっ!それができるなら、グーグルアースを登山記録用に使えるではないか・・。
というわけでさっそくやってみました。烏谷山・比良岳の時のログです。(※2


航空写真上に軌跡が現れたー!

意外なほど簡単にできてしまいました!これなら自分が航空写真上のどこを歩いていたか一目瞭然&正確無比です。逆にそれを手がかりに、「軌跡のすぐ下にある白い部分はびわ湖バレイだな」などという見当もつきます。GPSログ表示はカシミールでもできますが、グーグルアースの方が画像が断然リアル。 ログはGPX形式のファイルで保存して、グーグルアースでいつでもすぐに呼び出すことができるので、登山の記録用にピッタリです!

ログ表示の具体的なやり方については、情報元のちゃたろうさんのページ(「ちゃたろうのMountain Hut」)をご覧ください。丁寧に説明されています。(毎度他力本願のしじみサイト ^-^;)データ形式変換にカシミールを使うのがちょっと面倒ですが、技術的には何も難しいことはないです。

ぐーんとズームアウトさせてみると、相対的にログ部分は小さくなります。こうするとたとえば、自分が県域全体からみてどの程度歩いたのか、ということも分かります。


画像中央部、琵琶湖の西側の赤いのがトラックログ。
こうしてみるとちっぽけなもんだなあ・・( ^-^;)

また、同じ要領で、GPSのウェイポイントを表示することもできます。眺望図を作る時や、あるいは「あの山の頂上から××の方角に変な建物が見えたが、あれは何だったんだろう・・?」といったことを調べる時には、ウェイポイントの方が眺望地点の座標が一発で分かるので便利です。(※3

では、定点から見た眺望図を作ってみましょう。グーグルアースは俯瞰角度(・・というのかな?)の調節も簡単にできます。真上から見おろしていた景色がナナメにスライドしていく様子は伝説のオウガバトルを彷彿とさせます。(このネタ分かる人少ないだろうな・・ ^-^;)この機能を使って、山頂から見た眺望図を簡単に作れますね。


「蓬莱山から南東〜南南東方面を望む」の図。この写真とほぼ同じ状態になった。

これはたとえば、山頂で見た景色をもう一度見たい時、あるいは実際に登った時に天候が悪くて眺望がなく、くやしかった時の脳内補完用に便利です。
なお、現実の眺望に近い画像を得る方法は、「実際の山頂より少し前に出た位置で、対地高度を山頂の標高と同じにする」というのでいいと思いますが、理由は「なんとなくそれでうまくいったから」であって、確信はありません( ^-^;)もし間違ってたらこっそり教えてください・・。

このナナメ見おろし眺望図は、残念ながら俯瞰画像(真上から見た画像)と比べてあんまり画質がよくないのが欠点です。でもカシミールよりはずいぶんマシ!( ^-^;)
また、グーグルアースは仰角がとれないので、その標高地点と同じぐらいか、それよりも高い山の眺望を見ることはできません。「下界を見おろす図」専用なのです。山並みの眺望を再現することにかけては、カシミールの独壇場ということになりますね。そのへんは必要に応じて使い分けていきましょう。

===
・・というわけで、グーグルアースが登山記録にバッチリ使えることが分かりました!スペシャルサンクスちゃたろう様〜!( ^-^ )
なお、別の読者の方からいただいた情報で、同じGoogle社の「Google Map API」という無償サービスが、これまたヒジョーに面白そうなのですが・・これは使うのにちょっと勉強が必要なので、いつかまた皆様が忘れた頃に紹介いたします!( ^-^;)



<注釈>

※1
カシミールでも、スカイビュースケープという有料サービスを使えば、航空写真による鮮明な俯瞰画像が見られるようです。ただしこちらもやはり山岳地域はカバーしていないとのことです。

※2
掲載画像のGoogleEarthは英語版ですが、2006年9月以降、日本語版が出ています。

※3 
ただし、建造物の特定は、ある程度の都市部(=地理的重要度が高く、高解像度画像が使われている)でないとできません。たとえば滋賀県は、市街地でさえも多くの部分で解像度が低く、建物1個1個の判別ができません。どうせ重要度の低〜いド田舎だよチクショー!_| ̄|○ お隣りの京都は高解像度なのに・・。グーグルアースの全面的な画質向上を切に希望( ^-^;)
また、グーグルアースの衛星・航空写真はだいたい3年前のものらしいので、過去3年以内に建った建物については網羅していない場合があります。


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