カシミール3D
(製作者:DAN杉本氏、フリーウェア)

カシミール3D」(通称は単に「カシミール」)は、登山に役立つ機能がたっぷり詰まった超優秀な「三次元地図ソフト」。日本全国の地図を自在に使えて、GPSとの連携もバッチリ、しかも基本的に無料(※1)・・という良いことずくめっぷりで、地図好きにはたまらないソフトです。

以前は大縮尺の地図がメインで、小縮尺の地図を使う場合は高額なデータCDを買わなければならなかったため、しじみもあんまり使ってなかったんですが、同ソフトが2004年に1/25000地図データをタダで利用できるようにしてくれてからは、どっぷりとその魅力にはまりました。タダよりうれしいことはないです( ^-^;)
1年半ほど使って基本的な機能はなんとかマスターしたので、今回はしじみ流カシミールの使い方を、一挙公開いたします!!
(なお、今回は「何ができるか」に重点をおき、詳細な操作方法は省きました。興味のある方は公式サイトや参考書をご覧ください)

【使い方1:登山計画の地図作り】

カシミールは、インターネット回線を通じて国土地理院の地図閲覧サービス「ウォッ地図」のデータを取り込み、表示することができます(詳しくは公式サイトのこのページ参照)。これにより、インターネットが使えるパソコンさえあればカシミールで日本全国の1/25000地図を無料で閲覧でき、プリンタがあれば印刷もできます。つまりこれで、わざわざ買わなくても、ほしい地域の地図がいつでも入手できるのです。

しじみは以前は「ウォッ地図」のサイトに直接アクセスして、行きたい登山コースを含む地図ページを呼び出し、縮小印刷して使っていました。これもお金がかからなくて良い方法なのですが、「ウォッ地図」は紙地図と同じように地域が区切られているため、予定コースが複数ページに渡る場合は印刷した地図を貼り合わせなくてはならない・・という欠点がありました。

しかしカシミールで「ウォッ地図」を取り込めば、地図をシームレス(切れ目なし)に使えます。印刷する時には任意の部分を切り取り印刷できるのです。しかも磁北線を自動的に描き込んでくれる機能まであるので感激です。さらに、ウォッ地図のように細かく縮小率を設定しなくても、印刷設定で1:25000や1:50000などの縮尺で印刷するように指定できる(※2)のも良いところ。というわけでしじみはすっかりこちらに乗り換え、登山前にはいつもカシミールで印刷した地図で、コース図を作成するようにしています。(※3

【使い方2:山岳展望図作り】(※4


御在所山頂上から北方向を望む(カシミール3Dにて作成)

立体展望図作成機能は、カシミールの一番のウリです。上図のような「○○山頂から見た×方向の展望」が簡単に作れます。(なお上図はページ幅の都合上縮小をかけていますが、もっと大きく印刷することももちろんできます)
しじみは遠近感とか地図を立体視する能力が壊滅的に無いので、山頂でKさんに「向こうに見える山はなあに?」などと聞かれた時にカッコよく即答するためのカンペとして、よくこれを作っていきます(今ではすっかりバレてます)。もちろん読図の勉強にもなりますよ( ^-^;)

【使い方3:GPSのウェイポイント登録・ログ管理】

ここからは、GPSを持ってない人には何のこっちゃ分からん文章になりますが・・。

GPSのPCデータ転送ケーブルを持っている方は、カシミールを使ってウェイポイント登録が簡単にできます。経緯度を入力する必要がないし(カシミールでは網羅範囲全てに経緯度データがあらかじめ含まれている)、PCだから文字入力も速くできるので、GPSのクリックスティックをコチコチ動かして入力していた頃に比べれば、あっけないほどの時間でポイント作りができてしまいます。まあ1個や2個のポイントならGPS直接入力でも大して時間は変わらないんですが、大量に登録したい時には断然カシミールが便利です。

GPSのウェイポイント登録簡便化ソフトは他にもいくつかありますし、しじみは他のものを使ったことがないので確かなことは言えませんが、作業工程から考えて、これ以上入力を簡便化したソフトはおそらくないと思います。もちろんルート登録も簡単にできます。

登山から帰った後のトラックログ(歩いた軌跡データ)管理も、やっぱりカシミール。しじみは毎登山ごとにトラックログをファイル分けして、PCに保存しています。で、当サイト用にコース図を描く時の参考にするのです。

GPSでとったトラックログをカシミールの地図に落としたイメージはこんなかんじです。(山旅倶楽部さんのページより。赤線がトラックログです。本当はしじみのとったログ入り地図を掲載したいのですが、地図著作権の関係上断念しました・・ToT) しじみのようにコース図を描くのでなくても、トラックログは登山の思い出にもなるし、次回同じコースを登る時の参考にもなります。せっかくGPSを持っている方は、ログ保存をやらなきゃソンソン!

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・・というわけで、マニアックな話を延々と繰り広げてまいりました( ^-^;)
こんなふうに書くと何だかしじみがカシミールのエキスパートのように見えますが、実際のところしじみは全機能の1/5も把握しておりません。まだまだいろいろな機能があるのですが、目下勉強中であります。今回は「オレこんなふうにカシミール使ってんだけど、みんなは?」というノリで書かせていただきました!ほんまもんのエキスパートを自負する方々、もっと面白い使い方がありましたら、ぜひぜひ教えてくださいね〜!→メールフォーム


※1
カシミール自体はフリーウェアですが、使い方をマスターするには参考書を買って読まないと難しいと思います。事実上のシェアウェアというわけですが、本代程度のお金を出す価値は十分にあると思います( ^-^;)

※2
この縮尺指定は、(おそらく地球の丸さによる歪みの関係で)完全に正確なものではないそうです。しかししじみの見る限りでは、誤差は実用上問題ないレベルです。

※3
2006年9月、より便利な地図印刷ソフトを発見し、また乗り換えました( ^-^;)

※4
残念ながら、「ウォッ地図」のデータではこの機能は使えません。参考書を買って、添付されている1/200000または1/50000地図CDを読み込む必要があります。やっぱりシェアウェア


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