【権現山・蓬莱山】 滋賀県大津市


※スタート・ゴールは一番下です※

■本図は (財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

権現山/2005年9月10日


権現山や蓬莱山といった比良山地南部は、登山口にアクセスするために、万年大渋滞の国道161号や有料の湖西道路を通らねばならず、これまで滋賀県・湖東や京阪神地方からのマイカー族には敬遠されがちでした。

しかし2005年夏、湖西道路が無料化されたことにより、一転してこれらの山々にアクセスしやすくなりました!信号のない湖西道路をかっ飛ばし、もうお金を払う必要のなくなった料金所の脇を猛スピードで駆け抜ける時の、関所やぶりのような背徳感がたまりません。比良の新時代がやってきました。

今回の山行のお相手はKさん。早いもので、8月から一緒に登山し始めて、この時でもう4回目です。彼女はすでに登った鈴鹿の山々でヒルの大歓迎を受けており、それでも「ヒルにはひるまない」などとつまらないギャグ気丈なことをおっしゃる素敵な女性です。むしろこの夏はしじみの方が鈴鹿のヒル大攻勢に参ってしまい、「ヒルのいない比良に行こう」と言い出したのが、今回のコースを選んだきっかけでした。(※1

湖西道路を和邇ICで降り、和邇公園のトイレに寄ってから、栗原の林道を詰めて登山口へ。登山口から1時間も登れば霊仙山への分岐地点に着きます。ここはなぜか「スゴバン」という妙な名前がついています。ヒバゴンみたいな語感が好きです。

Kさん
しじみ
Kさん
「ここが霊仙山との『分かれ』?」
「そうです。逆から見れば霊仙山『出合』ですが」
「なるほど、出合もあれば分かれもある、と」

Kさんはときどき意味深な発言をします。

急登に少々バテながらも、権現山996mに到着。狭いピークです。ここからは東側の眼下に琵琶湖が広がる・・はずなのですが、この日はくもっていて霧も出ており、残念ながらまったく見えず。仕方なく先を急ぎます。

権現山〜ホッケ山間の笹ヤブ地帯をかきわけかきわけ進んでいると、前方から40代ぐらいのおじさんハイカーがすごいスピードで駆け下りてきました。まだ朝の9時半頃、打見山のゴンドラも動いてない時間帯なのに、この方はどうしてこんなところまで走ってこれたのでしょう。しかも半パンで。笹ヤブなのに。

いろいろ聞いてみたかったのですが、なんかこの方ジャン・レノみたいな近寄りがたい雰囲気のおじさんだったので、あいさつのみですれ違いました。

Kさん
しじみ

Kさん
しじみ
Kさん
「今のおじさん、シブくてかっこよかったねー」
「ジャン・レノそっくり。シャレじゃないですが、きっと『LEON』
 あたりを読んで、チョイ悪のモテオヤジを目指してるんでしょう」
「しじみちゃんはそういうオシャレ雑誌読まないの?」
「読みませんよー。いっつも『山と渓谷』に『岳人』です」
「あー、そうだと思った

Kさんはときどき厳しい発言をします。

笹ヤブを抜け、小ピーク「ホッケ山」に到着。周囲の山が「蓬莱」とか「権現」とかの宗教くさい名前なので、多分この山も本当は「法華山」なのでしょうが、なぜかガイドブック等では全てカタカナ表記。ひょっとしてこれは「法華」ではなく、居酒屋料理でおなじみのあの魚なのでしょうか。由来が気になるところです。

小女郎峠を西に折れて、小女郎ヶ池に寄り道。高校山岳部以来、実に10年ぶりにやってきた小女郎ヶ池は、相変わらず寂しいたたずまいでしたが、変わってなくてほっとしました。

ひとしきり写真を撮ったあと、水辺にたおやかにたたずむKさんにレンズを向けて、「撮っていいですか?」と聞いてみました。こころよく断られました。

小女郎峠から蓬莱山にかけてのなだらかな稜線は、本来なら眺望抜群なのですが、この日は霧にまかれてやっぱり何も見えず・・ズンズン歩いて蓬莱山1174mにあっさり到着です。普段はびわ湖バレイの観光客でにぎわう山頂も、この天気ではさすがに人影まばらです。


打見山からのリフトもガラガラ。にぎやかしのつもりか、
パンダのぬいぐるみが乗ってるリフトがありました。
・・なかなかやるなびわ湖バレイ。


五里霧中。こんな写真載せてるウチのサイトもなかなかだと思う。

幸い雨ではなかったので、霧の中で昼食。広口魔法瓶(←しつこく宣伝)入りの温かいビーフシチューが、季節外れの涼しい空気によく合いました。また、Kさん持参の「栗原さんちのおすそわけプリン」もうまかったです。

「栗原さんって、あのカリスマ主婦の栗原めぐみさん?」
しじみは知ったかぶりをして大恥をかきました。それバレーの選手です。
(正解は栗原はるみさん)

さて往路を引き返すか、と歩き始めた途端。みるみる霧が晴れてきました。おおシャッターチャンス!と思ってデジカメを引っぱり出したしじみでしたが・・電池が切れていました。このソニーのデジカメは毎度ケンカを売ってくれます。

ええっと、帰り道は比叡の山並みや琵琶湖の景色がとってもきれいでした・・そのへん皆様のたくましい想像力で補ってください。(こんなんばっかし ^-^; )

下山後は再び湖西道路に乗って南下し、西大津のスーパー銭湯「やまとの湯」へ(雄琴温泉の方が近いけど入浴料が高いのでさっくり無視)。湯上がり後はまだ4時頃だったので、近くの浜大津アーカスに行きました。少々観光でも・・と思ったのですが、通りすがりの焼肉屋の誘惑にあっさり負けて、早めの夕食開始です。

しじみは焼肉の匂いに我を忘れて「生ビール2つ」を注文してしまい、そういえばドライバーだったことに気がつくも、もう後のまつり。Kさん、いきなり中ジョッキ2杯も飲ませてゴメンナサイ・・。でもその後さらに3杯ぐらい飲んでたよね



※1
後に、比良山地でも西側にはヒルが出没することが判明。このコース自体は東側+稜線なのでヒルは出ませんが、「比良にヒルはいない」は間違いでした。訂正いたしますm(-_-)m

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