【羽鳥峰】 滋賀県東近江市(三重県境)


本図は(財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

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羽鳥峰/2006年7月28日 

鈴鹿スペシャルで通過した数々の名峰の中でも、ひときわ印象深かった羽鳥峰(ハト峰)。うんざりするようなヤブ道がふと途切れてぽっかり現れた、夕陽に輝く茜色の砂礫地帯は何とも幻想的でした。持ち主に似て、ここ一番に電池が切れるデジカメのおかげでその景色は写真にとれず、心に刻むだけでしたが、いつかまたここに来てみようと思わせる風景でした。

それから約1年。思い出のハト峰に再びトライする日がやってきました。今回は縦走ではなく、ヒットエンドラン戦法(?)による日帰りコースです。

ヒルがウネウネとうごめく道を早々に突破し、神崎川源流と白滝谷の出合に出ます。ここには元祖ケーブルカーみたいなサバイバルな乗り物がありました。


ボロくて怖いので乗りませんでした。友人Mは飛び石を伝って対岸に渡り、しじみはいさぎよくザブザブ渡りました。やっぱり夏は渡渉に限るね!(超負け惜しみ)

そこから白滝谷沿いの道を遡行し、川の流れが尽きたあたりで少々迷いながらも、稜線に出ることができました(で、道はすぐまた稜線を外れる)。木々に囲まれ陽あたりの悪い道を南下すると、急にさっと視界が開けて風化地帯に出ます。おお!1年ぶりのハト峰だ!


中央の岩山がハト峰。



頂上から南側の展望。しばらく砂礫地帯が続く。

さえぎるもののない展望・・と言いたいところですが、三重側以外はぐるっと山に囲まれている感じです。でもひらけていて風通しがよく、長居するにはもってこいのところ。広いので大人数でも収容できます。100人乗っても(以下略)

ハト峰から南、ハト峰峠のすぐ向こうの砂地をぼんやり眺めていると、謎の地上絵のようなものを発見!!UFOからのメッセージか!?超古代文明の名残か!?



「草木小」かな・・?
(ググると愛知県にそんな名前の小学校がありました)

どうやらただの子どもの遊びのようです。丁寧にフリガナみたいのもふってあるし。ほほえましいものですが、今思えば遭難信号とまぎらわしいので、破壊しておくべきだったかと思います。次回登った時にまだあったらぶっ壊します。ガキどもの思い出など知ったことではないわ!!
(よいこのみんなへ:しじみおにいさんはこどもがだいすきだよ☆)

時間とガッツがあれば、思い出の金山や、行けなかった水晶岳にまで足をのばしたかったのですが、どちらもなくて断念。ハト峰峠からヒロ沢を下りました。
すぐにハト峰湿原なる小湿原に出て、そこから少し下ると、なんと!水が湧いているではないか!こんな稜線のすぐ近くに水場があったなんて・・鈴鹿スペシャルの時の水不足は何だったのか・・頭をかかえこむしじみとMでした。
(もっともこの時は梅雨の終わり頃だから水があったのかもしれず、渇水期には涸れている可能性もあるのでご注意を・・ ^-^;)

やや荒れ気味の谷道を下って、神崎川源流との出合につきました。澄んだ水をたたえた淵にほっとする場所ですが、実はここからが地獄です。道は下の写真の、淵の岩壁の上に続いていて、いきなりすさまじく荒れてきます。

両手をフルに使う岩登りめいたところや、崩落しかけた木橋などが続いて、危ないことこの上ありません。短い区間の割に、たっぷり1時間はかかりました。正直二度と行きたくありません。

ようやく白滝谷出合にたどりつき、再びMは飛び石、しじみは渡渉をして対岸へ。しじみは二度の渡渉により、ヒル除け目張りテープの粘着力もさすがに失われ、登山口に戻るまでのジメジメ道で、ヒル2匹のスパッツ内侵入を許してしまいました。登山口で大騒ぎしながら除去しました。早期発見のおかげで吸血はされませんでしたが、危ないところでした。テープ作戦を試される方は、渡渉後はテープを貼り直しましょう!(というか、靴のまま流れに踏み込むズボラな奴はしじみぐらいか・・ ^-^;)

===
・・ということで登山録はおしまいなのですが、後でGPSのログを見直していると、おかしなことに気づきました。
我々の登った岩山は、どうもハト峰ではないらしいのです。えーっ!?

詳しくはルート図を見ていただきたいのですが、我々の登った岩山は、明らかに稜線から外れた場所にあります。そういえば周りの景色も、三方を他の山に囲まれたかたちでした。「羽鳥峰」のプレートはありましたが、そんなのは置いたもん勝ちだからアテになりません。

「山と高原地図」では、しじみたちの登ったピークではなく、少し北の稜線上のピークをハト峰としていました。確かにこちらの方が標高も高いし、しじみたちの岩山は尾根上にすらないのだから、「山と高原地図」の主張の方が正しいように思います。三重・滋賀の両側から見えてこそ、名のあるピークなのだから・・(ただし「山と高原地図」のハト峰とハト峰峠周辺の道の表記は少々誤っています。このあたりの縦走路は稜線からいったん外れます)。
というわけで、しじみたちはハト峰に登っていなかった!名もない岩山に登って帰ってきてしまったわけです。

しかししかし。しじみが知る限り「山と高原地図」のハト峰はヤブ山で、登る道はありませんし、ヤブをかきわけて登ろうなどとはまったく思わないさえないピークです。
そしてネットで検索してみると、多くの人がしじみたちの登った岩山をハト峰としています。原則に照らせばそれは間違いなのですが、本物のハト峰よりこっちの方が10倍楽しいんだい!楽しい方がハト峰なんだい!と強弁したくもなります。偽りのピークでも、幸せならそれでいいじゃないか!

・・しまいには「本当のハト峰は心の中にある」とか相田みつを風味なことを言ってしまいそうなので、このへんでやめておきます( ^-^;) もし読者の方で、ハト峰の真相について詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ教えてくださいね〜。


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