荒島岳・前編

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 荒島岳On-Line

地域概況その他、すごく詳しく書かれています!!
同サイトに敬意を表して、恒例のナビは今回はナシ!(手抜きじゃないよー)

◆ 登 山 録 ◆

「お休みとれたから、また泊まりがけで登山行こうよ」
Pさんからそんなメールが届いた2004年11月のある日。
うれしいけど、そのお休みの5日前に突然言わないでください。

あわてて宿やら何やら手配して、あっという間に当日。
愛車ネイネイ号で名神高速道路をひた走り、途中から北陸自動車道へ。移動距離がハンパではないので、初日は荒島岳登山は見送り、とりあえず宿に向かいました。

荒島岳登山の宿泊施設といえば、「鳩ヶ湯鉱泉」や「民宿林湊(荒島岳On-Lineで紹介されています)」なのですが、今回の我々は諸事情により、ちょっと遠くの宿にしました。

それは、勝山市の温泉宿「杉山鉱泉」。山奥の一軒家で、囲炉裏があったりする鄙びた感じのいい宿です。主に渓流釣り師や秘湯ファンが来るところのようです。ご夫婦とおばあさんが切り盛りされています。

思ったより早く宿につきました。チェックインをすませ、「せっかくだから近くの山に軽く登って、名物の『夫婦滝』も見てこようか」ということになりました。

ところが。
それを宿のおかみさんに告げると、血相を変えて止められました。
「だって、ここらへんはクマが出るんですよ」

そうです。2004年の秋といえば、全国でクマ騒動が頻発した時期。ここ福井県でも被害は多かったようで、おかみさんが心配するのも無理はありませんでした。しかし外は紅葉まっ盛り、ここで行かないのはもったいなさすぎます。そこで、おかみさんに熊鈴を借り(この時しじみは自前の鈴を持っていませんでした。切腹!)、それをひたすら鳴らし続けること、なるべく林道を歩くこと、夫婦滝には行かないことを約束して出かけました。

特に目的のない散策ですが、しじみにはここでぜひ試してみたいモノがありました。それは数日前に購入した、地図表示GPS「eTrex LEGEND」。衛星電波をとらえて1/25000地図データ上に現在地を表示してくれる、現代科学の粋を集めた軍事兵器踏査用位置測定機です。


eTrex LEGEND

スイッチを入れます。衛星電波の受信が始まります。電波は4つ拾えればOK。3つの衛星電波で三角測量による位置計測が行われ、あと1つの電波で誤差が補正されます。ここまでの儀式(?)はこれまでのGPSと同じ。しかし、ここからが違う!

一瞬沈黙した画面。そして次の瞬間、等高線によってぶわっと描き出される周囲の地形。それは等高線間隔こそ荒いものの、持っている1/25000地形図と同じ形状の地形です。そしてその中に、矢印で表示される現在位置。

うおおおおお!こ、これはまさに
ローレライシステムだー!!
※わかる方だけで結構です  

すばらしい!自分の居場所が手に取るように分かる!これからはこのマシンをヘルゼリッシュスコープと呼ぼう!・・と一人舞い上がっていて、ふと横を見ると、Pさんが「なにこのミリタリーオタク」みたいな目でしじみを見ていました。しじみはPさんにもこの革命的な索敵測位システムの信者になってもらおうと、いろいろとウンチクを語りましたが、語れば語るほど逆効果でした。シクシク・・べつにこれミリタリーグッズじゃないんだけどなあ・・。(以後、二人の間でGPSの話題は御法度

その後、林道脇の川に降りてみようということになりました。
降りる道らしきものを見つけたのですが、行けども行けども川に出ません。道はかなりきつい勾配で、いったん降りると登りがシンドイところです。あんまりPさんを疲れさせるとよくないので、しじみが斥候(?)となって一人先に進み、Pさんは途中で待っていてもらうことにしました。

熊鈴をリンリン鳴らしながらかなり進んで、どうもこの道は川には出ないらしいということが分かり、Pさん来なくてよかったなあ、オレってジェントルマンだなあとか思いながら引き返してみたら。アレ?
何やらPさんがパンパンと手拍子を打っています。

何やってるんだろうこの人。お礼に歌でもうたってくれるのかな?
と思って手を振ってみたら。

「どうして熊鈴を持っていっちゃうのよ!いつクマに
 襲われるかと思ってめちゃくちゃ怖かったんだから!!」


え・・えっと、ゴメン・・。

そんなこんなで散策を終えて、無事宿に戻ってきました。
夕食までの時間は、温泉でゆったり。男湯はしじみ一人しかいなかったので、石造りの浴槽を一人じめできて満足でした。源泉らしい熱い湯がポコポコ湧いている槽と、それに水を加えて適温にしたらしいヌルめのお湯の槽があり、その原始的な(失礼!)しくみがいかにも温泉らしくて良い感じでした。

そして、宿自慢の料理。山奥の宿らしく川魚や山菜が盛りだくさん。熊肉の刺身(!)という珍味もありました。Pさんもすっかり満足して、料理を運んできてくれたおばあさんに質問していました。

「とってもおいしかったです!これは何ていうお魚ですか?」

あのねPさん。この旅館は玄関に思いっきり岩魚旅館て書いてたよね。
横で聞いてたボクの方が恥ずかしかったです。ハイ。

そして、明日が早いので就寝です。
今回は宿の都合上、しじみとPさんは同じ部屋です。でも残念ながら二間あって、フスマで仕切れます。なのでそれぞれ別の間で寝ました。(泣)

ところが。夜も更けた頃、隣りの間からPさんが突然起き出してきました。

「起きてる?」「うん」
「なんか暖房のモーターみたいのがうるさいから、
 止められないかなーと思って」

なあんだ。
電気をつけていろいろ見てみましたが、文系一直線のしじみにはサッパリ分からないので、結局宿の大将を呼んできて直してもらいました。

宿の大将の九代目清三さん杉山鉱泉TOPの中ほど参照・・代々宿を守ってるってカッコイイですね!)、夜分遅くにありがとうございました・・。

荒島岳・後編へ
(結局、前編ではまだ荒島岳に登っていない・・)



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