GPS

=イートレックスベンチャー日本語版(ガーミン)=
vol.2

そんな訳で買っちゃったガーミン社製eトレックスベンチャー。税込37,557円ナリ(当時。今は多分もっと安いです)。

ではこいつの使い方について。カーナビやナビ機能付き携帯電話の普及によって知られるようになったGPSですが、この踏査用GPSをカーナビと同じものと思って山で使うと確実に遭難します。地図データなんてほとんど何も入ってないからです。現在地の座標(緯度・経度)は示してくれますが、「ああ、俺はいま北緯○度○分○秒、東経×度×分×秒にいるのね・・ってそれで!?」という結果になってしまいます。座標が分かっても、周りに見えるものとの相対関係が分からなければ、結局自分がどこにいるか分からないのです。(なんか哲学的ですね・・)

なので、このGPSを使う時には自分であらかじめルート上のポイント(登山口や頂上など)の座標を入力して、画面に表示させておきます。登山時にはそれらのポイントと現在地の座標との位置関係によって、予定したルート上にいるかどうか、後の行程がどのくらいかなどを確かめ、その後の行動の指針にするわけです。「いま登山口と頂上のちょうど中間にいるから、地図でいえばこのあたり、ルートは外れてないけどちょっと予定より遅いからペースを上げよう」とか。
 
障害物がなく、衛星からの電波を常に受けられる尾根道などでは、自分の歩いた軌跡が画面に記されていきます。これが地図に引いたルートとぴったり一致する時はかなり感動します。軌跡ログはずっと保存されるので、時々眺めて思い出にひたるのにも最適。ルート間違いの恥ずかしい記録も残り続けますが・・。

一方、深い谷道や、周りを木に囲まれた森林地帯では、衛星電波が届かず全く役に立たない時もあります。しじみの日本語版では「衛星信号ロスト」と表示されますが、Mの英語版では「Are you indoors now?」というユーザーを挑発しているとしか思えないメッセージが出ます。いや面白いけど。

たいていの登山では、衛星電波は届いたり届かなかったりで、軌跡は途切れ途切れになります。しかし、大まかでも自分がどこを通ったか分かるというのはやっぱり画期的!GPSを使ってからはプチ遭難も減り(ゼロとはいきませんが・・)、たとえ多少道に迷っても、現在位置がどこで、どのくらい歩けば人里に出られるかが分かるので、安心して落ち着いた登山ができるようになりました。
これからの登山はGPS!ガーミン社の回し者と言われてもいいぞ!Are you GPS now?

・・とはいえ、GPSだけではあまりに大ざっぱで心もとないので、しじみはいつも国土地理院の1:25000地形図と併用しています。ちなみに奈良・大台ケ原の西大台でGPSを使った時には、軌跡から考えるに、どう見ても地図の登山道がかなり間違ってるらしいという思わぬ発見もありました。天下の国土地理院が測量ミスなんて!

間違いといえば、このGPSも時々激しい勘違いをします。軌跡が途切れて、しばらくして復活した場合、途切れた部分を推測してつないでくれることがあるのですが、たまに間違えて遠く離れた軌跡と結んでしまうのです。時速40kmで直線移動とか、妙なアリバイ工作みたいな軌跡作らないで・・。

そんなお茶目なGPS、多少値の張るものではありますがお勧めです。特にしじみと同じく方向音痴を自認する方はお守りとしてぜひ1つ。ちなみに英語版と日本語版がありますが、しじみレベルの簡単な使い方しかしないなら、英語版でもそう支障ないと思います。

なお、「空が曇っていたり雨が降っていたりすると、衛星電波が届かずGPSは使えない」と思っている人がいますが、そんなことはありません。基本的に障害になるのは木や崖などの地上物だけです。
実は、しじみも最初はそう勘違いしていました。そして、事実を知った時、思わずこう叫びました。

「そうか!僕らの衛星は雲になんか邪魔されないから」
「ついに魔境を見つけたぞ!!」

何のセリフか分かる人はかなりのドラえもんマニアです。


2004.12.6 New !
※続編「地図表示GPS」追記!新たな伝説が始まる!!※



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