【武奈ヶ岳・堂満岳】 滋賀県大津市


m(- -)m コース図が大きすぎてごめんなさい・・ m(- -)m
なお、左上の欠けは、その部分の地図データの購入をケチったせいです( ^-^;)

■本図は (財)日本地図センター発行の25000段彩・陰影画像を元に作成した。(同センター承認済)
■この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第82号)
※25000段彩・陰影画像は数値地図25000を元に作成されており、本図はその二次利用のため両文併記。

武奈ヶ岳・堂満岳/2005.10.16


権現山・蓬莱山登山でヒルのいない比良に味をしめたしじみとKさんは、今度は比良の最高峰・武奈ヶ岳を目指すことにしました。(※1

当初は武奈ヶ岳だけに登るつもりでしたが、「堂満岳もそのうち行ってみたいな〜」というKさんに、「近いからいっぺんに登っちゃおう」としじみが安うけあいしたことにより、プランはいきなり比良山地横断コースに拡大。「琵琶湖側に下りれば温泉にも寄れるし♪」などと話はすっかり盛り上がりました。

後で調べてみて、それが日帰りコースを2つ足したに等しいロングコースであることを知ったしじみは後悔しましたが、もはや後の祭り。仕方がないので、歩行距離を少しでも短くするべく、しじみは登山前日に東側の登山口であるイン谷口まで車を置きに行くという力ワザを決行しました。これでコースは幾分短くなりましたが、同時に「途中で撤退すれば車が回収できない」というリスクも背負うことに・・そうならなくて本当によかった( ^-^;)

そして登山当日。この日は曇りがちではあったものの、天気は回復傾向で、出町柳駅のバス停は同じ比良登山目的の中高年ハイカーでごったがえしていました。賢いKさんは早めにやってきてバス待ち列の最初の方に並び、見事座席をゲットしましたが、発車10分前にやってきたしじみは座席にありつけず、約1時間ずっと立ちっぱなしに。いいもん、いつも座り仕事だから、たまには背筋を伸ばさなきゃ・・(強がり)

坊村に向かうバスの中では、ヒマをもてあました中高年ハイカーの皆様が、仲間同士で登山の武勇伝をたたかわせていました。やれ「槍に登った」の「穂高に登った」のと大盛況・・( ^-^;)聞く気がなくても聞こえてしまいます。日本アルプスでならした歴戦の猛者たち(?)がたくさんご同乗のようです。おじさま方の自慢大会のおかげで、長い乗車時間も退屈せずにすみました。

坊村バス停に着き、屈伸とアキレス腱伸ばしだけの「なんちゃって体操」をした後、いよいよ登山開始です。「私、歩くの遅いから先頭行くね」とKさんがペースメーカーに立ちました。登山を始めてまだ半年のKさん、「なんか、バスの人たち、ベテランのハイカーばっかりみたいだったね。私なんかシロウトなのに、いきなり武奈・堂満の縦走(横走?)とか大丈夫なんかな〜」と不安げです。

ところがこのお姉さん、口とは裏腹にその歩行スピードの速いこと速いこと。しかもその加速テンポが絶妙で、後続のしじみもかなりのハイスピードながら、それほど疲れを感じません。実にすばらしいペースメーカーっぷりです。

Kさんはバスで一緒だったアルプスの猛者たちのパーティーをぐいぐいと抜き去り、あっというまにバス勢のトップに立ちました。そして、その先にいた単独行のおじさん(車で来たと思われる)と抜きつ抜かれつの熾烈なデッドヒートを繰り広げたあげく、武奈ヶ岳の頂上先乗り合戦に僅差で敗れてものすごく悔しそうでした。ふもとでの弱気なキャラと同一人物とはとても思えません。この頃からKさんに「隊長」のあだ名がついたのも、無理からぬことであります( ^-^;)

「まあ、アルプスに勝ったからいいじゃないですか」とKさんをなぐさめて、我々も武奈ヶ岳山頂に到達。眺望を楽しんだ後、昼食の秋ナスサンドの調理を始めました。そのうちに他のパーティーも山頂に続々と到着しだしたのですが、調理器が珍しいのか、我々のホットサンドは注目の的となり、あるおばちゃんパーティーには「あれはホットサンドメーカーって言うのよ」と指さし説明されたりして、恥ずかしいったらありゃしませんでした( ^-^;)

昼食を終え、再び出発。快適にとばして小ピーク「コヤマノ岳」を通過です。ちなみにこのコヤマノ岳、「山と高原地図」などではP1181のこととされていますが、GPSの記録ではそれよりやや南になっていました。まあGPSの誤差かもしれないし、どうでもいいと言えばそれまでなんですが・・。

続く中峠〜金糞峠間は、やや荒れた谷道となります。一応しじみの方が熟練者なので、「岩場はオレが先に行きます」と先頭をとってかわり、紳士をアピールしました。しかし歩き出したとたんにすべってコケました。しじみがカッコつけるとたいていこういうことになります。ネタの神様が許してくれないようです。

金糞峠にたどり着くと、眼下に琵琶湖が広がり、ああ比良を横断してきたんだ・・という感慨が湧きます。ここからは正面谷を下るのがイン谷口への早道ですが、時間に余裕があるので、予定通り堂満岳へ向かいます。

崖沿いの段差の激しい登りをフウフウ言いながら詰めている時、Tシャツにジャージ姿の若い兄ちゃんが休憩しているのに出会いました。

兄ちゃんの荷物は小さなキャメルバッグらしきもの1個だけで、30L前後のザックをかついでいるしじみたちに比べてえらく軽装です。カロリーメイトか何かを持っていたので、バッグに水以外の物を入れるスペースが多少はあるのかもしれませんが、それにしてもデイパックよりも小さいバッグです。靴もスポーツシューズで、全体に登山ではなくランニングという風情。しじみもKさんも興味シンシンですれ違いました。

「あれはうわさにきくトレイルランナーというやつですかねぇ。救急用具とか持ってなさそうだけど、ケガしたらどうすんのかなぁ。走ればスピードも出るし、足元も不注意になるから危ないですよねー。まあこのへんメジャールートだから、ケガで動けなくなっても誰か通りがかりの人が助けてくれるだろうけど、最初からそういうのをアテにするのもね・・どうもトレイルランニングってやつはいただけないですねー」

・・などと説教オヤジっぽい批判を述べるしじみに対し、Kさんが一言。

それはどうでもいいけど、彼、イケメンだったよね」
Kさんは全然別のことに興味シンシンだったようです・・。
イケメンなら今あなたの隣りにいるじゃないですか

ちなみに件の兄ちゃん、中村獅童と中山きんに君を足して2で割ったような顔をしていたので(それってイケメンか?)「中村きんに君」という名前を勝手に付けました。彼のインパクトはかなり強く、その後も時々しじみとKさんの話題に登場しています。

やがて、堂満岳頂上に到着。空気がかすんでいて遠望はききませんでしたが、琵琶湖の眺めがきれいでした。


山頂より琵琶湖を望む。沖島と対岸がうっすら見えます。

山頂でふと尿意をもよおしたしじみは、来た道を少し引き返し、道脇で用を足そうとしました。しかし放水を始めたその時、登山道を先ほどの中村きんに君が爆走してきました。大慌てでしまいこんだものの、不自然な態度はとりつくろえず、きんに君は不審の目でしじみに一瞥をくれて、そのまま駆け去っていきました。なんだかものすごく人間的に負けた気がしました。ってシモな話ですいません。

堂満岳以降は、暗い林の中をひたすら下り。またしじみが2回ほどコケた後、小さな沼地「ノタノホリ」に到着しました。


非常にウチのサイトらしい小汚い写真。

ノタとは湿地を意味するヌタの転化であり、ここは湿地に常時水を貯めた沼(=堀)がくっついているから「ノタの堀」なんだろう・・という地名オタクっぽい説明をしてKさんに聞き流されているうちに、民家が見えてきました。時刻は5時前。どうやら比良山地横断、無事成功のようです。

しかし、我々はここで油断してミスってしまいました。イン谷口に戻るには民家の脇の細道を通ってもう一つ東側の道に出ないといけないのですが、この細道の入口が非常に発見しづらく、見逃してかなり南に下ってしまったのです。まあよく考えたら、堂満岳から下ってイン谷口に戻る人はめったにいないだろうから、分かりにくいのも無理はないですが・・(婉曲な自己弁護)。

最後の間違いによってやや時間をロスしたものの、引き返してようやくイン谷口に到着。8時間半に及ぶ登山のゴールです。長大なコースでしたが、穏やかな天気で2人とも終始コンディションが良く、疲れもほどよい感じでした。秋という季節も良かったのかもしれません。

その後は愛車ネイネイ号に乗り込み、比良トピアへ。温泉で汗を流し、ディナーは全国にその名をとどろかす超セレブな中華レストラン「王将」で、味の素のパンチのきいた料理を楽しみました。2人でたっぷり食べて三千円でおつりがくるすばらしさ。やはり「食は王将に在り」ですね!!(なんだこのまとめは ^-^;)


※1
後に、比良山地でも西側にはヒルが出没することが判明。
この時は知らぬが仏でした・・( ^-^;)

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